好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「小糸ちゃん、今朝は…ごめんね?」

「いやまあ…。先輩の気持ちが嬉しかったのは本当です、せっかくくれたのに嫌な態度取ってごめんなさい…」



小糸ちゃんがうつむき気味にそう言った。



そんな顔させるのが申し訳なさすぎる…。



俺は小糸ちゃんのことをそっと抱きしめた。



「今日俺の家で一緒に食べない? お互いのやつ」

「食べる…」



良かった。



俺は小糸ちゃんとずっと仲良くいたいです…。



そのとき、校舎裏から「いいの!?」という穂高の声が聞こえた。



小糸ちゃんと2人で視線をやると、明莉ちゃんからチョコを受け取った穂高が嬉しそうにしてる。



それから、「俺でよければ、よろしくお願いします!」という声と、「やったー!」という声も聞こえてきた。



おお、なんだかうまくいったみたいだ。



小糸ちゃんと顔を見合わせてふふっと笑った。



明莉ちゃんと穂高は何やら2人で喋って、それから俺たちの方にきた。



「俺たち、付き合うことになりましたー!」



穂高がそう言って、明莉ちゃんの手を取った。



ちょっと照れた顔をする明莉ちゃん。



俺と小糸ちゃんは2人でパチパチと拍手した。



「色々とお騒がせしました!」

「いや、ほんと良かったね、穂高」

「本当に! ありがとな!」



色々と悩んだ甲斐があったね。



ちなみに、明莉ちゃんのところに来た通知の男の正体は、明莉ちゃんのいとこのお兄ちゃんだったらしい。



うん、良かった良かった。
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