好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
それから、2人でデートするという穂高と明莉ちゃんと別れ、俺と小糸ちゃんは結局2人で帰ることになった。



手もつながせてくれる。



ちょっと口数少ないけど…。



口数が少ないまま家に着いて。



誰もいない家。



俺の部屋に連れて行った。



「小糸ちゃんのブラウニー楽しみだな」

「先輩のチョコケーキの前にはかすみます…」

「そんな卑屈にならないでよ…。小糸ちゃんの手作りが何より嬉しいしおいしいに決まってるのに…」



まだご機嫌ナナメだ…。



俺はそんな小糸ちゃんを横目に、小糸ちゃんのブラウニーを食べ始めた。



「え~、超おいしい! チョコ濃密~」

「またまた…」

「ほんとだよ、ほら。あーん」



俺はフォークで取ったブラウニーを小糸ちゃんに差し出す。



むーっと唇を閉じた小糸ちゃんの頬を片手で挟んだら、しぶしぶ口を開けてそれを食べた。



「おいしい…」

「でしょ? 最高~。ありがとうね」

「はい…」



それから小糸ちゃんの目の前に置いてあるケーキもフォークで取って小糸ちゃんに食べさせた。
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