好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
~小糸~

本当は風里先輩と2人で行きたかった夏祭り。



そのために嫌いな勉強も頑張ったけど…。



あんな戸惑った顔見ちゃったら2人でなんて言えないよね~…。



全然脈ないじゃん、あたし…。



「うわー!」



お風呂場で叫ぶ。



胸はかなり痛んでます…。



でも、2人きりじゃないけど風里先輩と夏祭りに行けるのは嬉しいな!



それに、今まで知らなかった連絡先も交換できたし。



うん、勉強頑張って良かった!



そして夏祭り当日になった。



お母さんに浴衣を着付けてもらって、髪もアップにして。



ちょっとでもかわいいと思ってもらえたらいいな。



明莉と一緒に待ち合わせ場所に行くと、すでに先輩たちは来ていた。



あたしたちを見て手を振ってくれる。



ちょっと小走りで駆け寄った。



浴衣でつまずくあたし。



それを、風里先輩が肩のところを支えて抱き留めてくれる。



なんかあたし風里先輩の前で転んでばっかりいる気がする…。



恥ずかしいな…。



「お待たせしました!」

「ううん。浴衣かわいいね」



かわいいって言われちゃった!



嬉しいな~。



でも風里先輩は明莉にも同じように笑顔。



んん~…ちょっと明莉に嫉妬…。



まあしょうがない…先輩はあたしのことなんとも思ってないもんね…。



気を取り直して出発した。



夏祭り会場はすごい人。



ちょっと立ち止まるだけですぐはぐれそうになる。



あたしは明莉の腕を組んだ。



とりあえず明莉とははぐれないようにしよう…。
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