好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「チョコバナナだー。食べたい」



風里先輩がそう言ってチョコバナナの屋台で足を止める。



「食べる人~」



風里先輩の言葉に3人とも手を挙げた。



「じゃあ後輩2人には奢ってあげるね」

「俺も奢って?」

「やだよ。自分で買いな」

「ケチ…」



先輩たちの会話が面白い。



チョコバナナを食べながらまた歩き出した。



って、人ごみに飲まれて先輩たちが遠くに…っ。



焦ってたら、がしっと腕を掴まれた。



風里先輩だ…。



「大丈夫? ここつかまってな」



そう言って先輩の服の裾を掴ませる。



う~…こんなんでもすぐドキドキしちゃう…。



手つないでるわけでもないのに…。



ちょろいな、あたし…。



それからヨーヨー釣りをしたり、わたあめ食べたり…。



楽しいな…。



けど人が多いっ…。



人ごみにもみくちゃにされるあたし。



って、浴衣めっちゃ崩れてる…。



「先輩、ちょっと人いないところに行きたいですっ…」

「おっけー」



人の少ない公園に流れ込むあたしたち。



浴衣…どうしよう。



困ったな…。



自分で直せる自信がない…。



「明莉、直せる?」

「うーん…スマホで調べてなんとかしてみようか…?」



だよね…。



そう思ってたら、風里先輩が「俺が直してあげる」と言った。



なんですって…?
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