好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「小糸ちゃん、昨日泊めたの」



先輩が説明してくれる。



あたしは全力で深くお辞儀。



「そう…。まあいいけど。それよりあんた、一緒の部屋で寝たの」

「まあ…」

「親のいない隙を狙って…」



お母さんとお父さんが呆れた顔をしている…。



ほんっとうにすみません…。



それから、遠慮するあたしに朝ごはんを食べさせてくれたご両親。



全力の感謝とともに、先輩と一緒に学校に向かった。



もちろん、お揃いのスニーカーで。



「えへへ、嬉しいです」

「小糸ちゃん似合うね~」



大好きな先輩。



あたしの嫌な気持ちも全部上書きしてくれる。



16歳、なんだか前よりも素敵な歳になる気がするよ。



先輩とずっと一緒にいられたら、それだけであたしは幸せだ。
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