好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
みんな勉強しようよ~…。



受験生だよ~…。



「相変わらずモテんな~」



直くんがそう言ってケラケラ笑ってる。



「からかわないでよ…」

「いやいや、事実だろ」



別に嬉しくないよ…。



「彼女はこのこと知ってんの?」

「いや~、わざわざ言わないでしょ」

「まあそれもそうか」



でもあれかな、嫉妬とかしてくれんのかな。



それはちょっと見たいかも…。



その日の授業が終わって、バイト終わりの小糸ちゃんと一緒に帰るとき、今日の出来事を話してみた。



「なんか俺モテてるみたい…」

「やだ…」



『やだ』だって!



何その反応。



超かわいいじゃん。



「予備校って結構女の子多いんですか?」

「そうだね、女の子の方が多いかも」

「やだ…」



え~、何この子。



かわいすぎるね?



口をちょっとむっとさせてる小糸ちゃんの頬をツンとした。



「なんですか…」

「かわいいから…」

「かわいくないです…」



いやいや、かわいいよ。



俺なんかより、小糸ちゃんの方がモテるんじゃないかって心配だよ。



「小糸ちゃんは告白されたりとかないの?」

「えっ、ないですよ!」

「ええ~、こんなかわいいのに?」
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