好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
しばらく歩き回って、あっという間に時間が過ぎて。



夜も遅くなったので解散することになった。



「じゃあね、今日はありがと~」



明莉と穂高先輩に手を振って別れた。



あたしと風里先輩は帰る方向が一緒なのでそのまま歩いて帰る。



そういえば今日も市川さん来てるんだよね…。



多分泊まってくだろうし…。



今日こんなに楽しかったのに帰りたくないなあ…。



いつもの公園に着いた。



あたしは立ち止まる。



「先輩、あたしここで時間つぶしてくので…。今日はありがとうございました!」

「え? そうなの?」



先輩はきょとんとした顔をしている。



「こんな遅いのに危ないよ?」

「ん~でも、家に帰りたくないので…。市川さんが寝るくらいの時間まではいようかなと…」



いまは夜の10時だから、あと1時間くらいしたら市川さんも寝るだろう。



1時間くらいならここで充分時間がつぶせる。



「大丈夫です、あたし、もう時間つぶすの慣れてるんで」



あたしがそう言ったら風里先輩が悲しそうな顔をした。



ああ…先輩にそんな顔させて申し訳ない…。



「じゃあ俺と一緒にここで時間つぶそう」

「ええ!? いいですよ、夜も遅いし…」

「もしここで俺が置いて帰ってなにか事件でもあったら後悔しまくるから、ね?」



うわあ…そんなこと言われちゃなにも言えない…。



「じゃあ…家帰ります!」

「あはは、大丈夫? いいよ、俺もちょうど帰るの寂しいと思ってたところだから」



風里先輩ってめちゃくちゃ優しいんだな…。



じゃあお言葉に甘えちゃおう…。



先輩と2人、公園のブランコに座った。



しばらく2人、ブランコに揺られる。
< 20 / 351 >

この作品をシェア

pagetop