好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「ねえ小糸ちゃん、またアルバム見せてよ」

「え…前見せたじゃないですか…」



あからさまに警戒している小糸ちゃん。



だって見たいじゃん…。



前見たときより小糸ちゃんのこともっともっと好きになってるから別の感慨があると思うし…。



「先輩変なこと言いそうだからヤダ…」

「…」



まあ言うかもしれないけど…。



「一年経って小糸ちゃんが変わった…」

「その言い方はずるです! 変わったのは先輩の方!」



たしかに…。



なんも言えない…。



自分の変態性が開花しつつあるのは自覚しているところです…。



でも小糸ちゃんも強くなったよね。



こうやって言い返してくるの、俺は2人の距離が縮まったみたいで嬉しいよ。



小糸ちゃんを後ろから抱きしめて腕の中に収めた。



「変わった俺のこと、嫌い?」



俺がそう言うと、首をぶんぶんと横に振る。



「むしろもっと好きかも…。あたしに心開いてくれてるみたいで…」



俺はそんな小糸ちゃんが嬉しくて、ほっぺにチューした。



「じゃあ…見せてあげますけど、変なこと言わないでくださいね?」

「言わ…ない」



小糸ちゃんに約束したら、奥からアルバムを何冊か持ってきてくれた。



リビングでそれを広げて一緒に見る。



小糸ちゃんはちょっと恥ずかしそうだ。



「うわ~、かわい~」

「前も見たのに…」

「何回見てもかわいい」



赤ちゃんの小糸ちゃんも、幼稚園生の小糸ちゃんも。



こうやって大きくなっていったんだねえ。



「お母さん、小糸ちゃんに似て美人だね」

「本当ですか? あんま言われたことないかも…」

「雰囲気が似てるよ。優しそう」



なんか新鮮。



小糸ちゃんのお母さんにもいつか挨拶したいな。
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