好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
それからアルバムをめくっていく。



「うわ~、何これ超かわいい」



5歳くらいかな? の小糸ちゃんが満面の笑みでうさぎのぬいぐるみをぎゅーっと抱きしめてる。



あどけない笑顔…。



「この写真欲しい」

「えっ…い、嫌ですよ…」

「じゃあせめて写真撮って良い?」

「いい…けど…恥ずかしい…」



それから何枚か可愛い写真を選抜してスマホに収めさせてもらった。



「小糸キッズコレクション…」

「あ、変なこと言った」

「えっ、今のもダメ?」

「ん~、審議ですね~」



厳しいな…。



でも小糸ちゃんもなんか楽しそう。



言いながら笑ってる。



最近こういう笑いながらの会話が増えて嬉しいな。



やっぱ受験って悪だね…。



アルバムにはやっぱり結人くんが結構一緒に写ってて。



2人がどれだけ仲良かったのかが分かるから、嫉妬すると同時に、やっぱり小糸ちゃんもそれが崩れてしまって悲しいんだろうなと思って胸が痛んだ。



一通りアルバムを見せてもらってから、アルバムをしまいにいった小糸ちゃん。



「あたしにも今度また先輩のアルバム見せてください」

「前見たのに?」

「あたしも先輩の子供のときの可愛い姿また見たくなった…」

「ふふ、いいよ」



約束して、小糸ちゃんの頭を撫でた。



ニコニコしてる小糸ちゃん。



チューしたいな~。



小糸ちゃんの顔を見つめると、小糸ちゃんも俺に顔を寄せてくれる。



それから、どちらからともなくキス…



しようとした瞬間、家の鍵が開く音がした。
< 263 / 351 >

この作品をシェア

pagetop