好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
それから俺は小糸ちゃんに、今までの話、それから今日の話をした。



小糸ちゃんはさらに泣いて。



「あたしの知らない間に先輩が元カノと会ってたなんて信じたくない…」

「ごめん…」

「許せないよ! しかも抱きしめられたなんて…あり得ない!」



小糸ちゃんは泣きながら怒っている。



俺が小糸ちゃんをこうさせた…。



「先輩、あたし、苦しいよ。なんで先輩のそばにその人がいるの? あたし、耐えられない…」



どれだけ謝っても足りなくて。



小糸ちゃんのことをとにかく抱きしめるしか、俺にできることはなかった。



小糸ちゃんを傷つけた。



それだけが鉛のように心にのしかかる。



「ごめんね…ごめん」



ひたすら謝り続ける俺。



「不甲斐なくて本当にごめん…」



謝るだけ謝っても、小糸ちゃんの傷が癒えることがないことは分かってる。



でもこれしか今は俺はできない。



小糸ちゃんを抱きしめ、頭をさするしか、今はできなかった。
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