好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
俺の心はやっぱりもやもやだ。



小糸ちゃんを傷つけてないか、それだけが気になって…。



せっかく作ってもらった食事もあんまり味がしないや…。



それからご飯を食べ終えて、また作業。



いい感じに仕上がってきた…。



「捗ってるか?」



悠麗くんが部屋に入ってきた。



「ん、玖麗がスイカ切ってくれた」

「わーいありがとう」



俺は手を拭いてスイカをしゃりしゃりと食べる。



「風里にしてはあいまいな表現するんだな」



悠麗くんが俺の作品を見ながら言った。



えっ、やっぱり…?



俺の心が現れてる…。



「悩んでるんだな、少年…」

「…」



俺は悩んでるのか…。



スイカを食べ終えて、また少し作業をしてからお風呂に入って。



リビングのソファで何気なく開くスマホ。



小糸ちゃん元気にやってるかな…。



小糸ちゃんとのトーク画面を開く。



俺の『無事に帰れた?』というメッセージに既読だけがついてる。



やっぱ寂しいな…。



無意識に『小糸ちゃん、元気?』というメッセージを打って送信してた。



えっ、俺なにやってるの!?



送信取り消ししようとしたけど、すぐにつく既読。



やらかした…。



そのとき、後ろを悠麗くんが通った。



俺のスマホを見る。



「うわ~、恋してんな~」

「えっ、なに!?」

「既読無視されてるのに『元気?』って送っちゃうとか。すげえ好きじゃん」



えっ…。



えっ?



俺って小糸ちゃんのこと好きなの?



年下を好きになるとかあり得なさ過ぎてそんな風に思わなかったんだけど…。



そうなの?
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