好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
~風里~

高校生活って結構楽しい。



彼女つくってみたり、別れたり、友達とふざけたり、勉強したり。



合間の時間でアート作品を作ったりするのも好き。



定期的に訪れる花屋で花材を買って、いろいろ作ってる。



生け花的なことをすることもあれば、写真を撮ったり、雑貨を作ってフリマやネットで売ったりとかも…。



思えば小さい頃からアーティスティックなものに囲まれて育った気がする。



母親は、祖父ちゃんが立ち上げたカメラマンの養成事務所で社長をやってて。



フォトグラファーとも知り合いが多い。



祖父ちゃんもフォトグラファーだし。



それから、叔母さんは学芸員をしているし、その夫の叔父さんはブックデザイナーをしている。



叔父さんの悠麗(ゆうら)くんはすごくかっこいい。



好きなものを好きにやっていて、芸術のセンスもあって、程よいワイルドさを兼ね備えた、自由な大人。



小さい頃からかわいがってもらってて、俺は悠麗くんのことを尊敬しているし憧れてる。



「風里~、あんた今日出かけるんでしょ?」

「そうだけど…」

「ちょっとこれ出かける前に悠麗のところに持ってってくれない?」



母さんにおつかいを頼まれてしまった。



まあいいか…。



今日は、最近良い感じの女の先輩と午後からデート。



デートするのは今日で3回目。



学校で偶然知り合って、向こうから色々と誘ってもらったりしてた。



多分、今日告白されるんじゃないかなー…。



嫌いじゃないし、付き合ってみても良いかなと思ってるんだけど。



付き合う人の傾向は、年上がほとんど。



っていうか年上としか付き合ったことがない。



自分が末っ子っていうのも関係してるかも。



付き合う以外に、ちょっと関係を持った人とかも全員年上だ。



年下や同い年の子から告白されることもあるけど、それは全部断ってる。



年上と付き合う方が楽なんだよね…。
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