好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「じゃあもっと電話してましょう!」

≪うんうん。あ、そうだ、お土産何がいい?≫

「お土産…。うーん、今日結くんから八つ橋もらったので…それ以外で!」

≪結人くんと会ったの…≫



先輩の声がいきなり沈んだ。



結くんの話題を出すとちょっとテンション下がっちゃうよね…。



だけど会ってほしくないとかそういうことは言われないから、あたしの交友関係を尊重してくれてるんだろうなって思う。



でもあたしも先輩に嫌な気持ちになってほしくないから、前ほど2人きりで遊ばないようにしてるんだよ?



結くんには申し訳ないけど…。



あたしにとって、とにかく先輩のことが大好きで大事だから、先輩のことを尊重したくって…。



≪結人くんもかすむようなすっごいお土産買ってくるね…≫

「すっごいお土産…」



そんなのがあるんですか…?



嫉妬でおかしなこと言ってるよ…。



かわいいけど…。



「先輩は今日は奈良だけですか?」

≪うん、クラス全員で奈良回ったよ。明日は班行動で京都だけど≫

「班…。女の子いますか…?」

≪ああ~、いるよ≫



いるのか…。



あたしの知らない風里先輩の同い年のお姉さん…。



≪気になる?≫

「気に…なります」

≪じゃあ明日は小糸ちゃんの写真首から下げて歩くよ≫

「なんですかそれ! 絶対やめてください」

≪あはは≫



先輩って結構変な冗談言うよね。



焦っちゃうよ。
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