好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
そのとき、電話の後ろから≪風里~、何してんだよー≫という男の人の声が聞こえた。



≪かわいい彼女と電話してんのー!≫



先輩が電話口から口を離して堪えた。


かわいい彼女…。



その紹介の仕方は恥ずかしいんだけど!?



でも嬉しい…。



複雑な感情です…。



≪のろけんなー≫



というブーイングの声が聞こえてきた。



「そろそろ切りましょうか」

≪そうだね…。なんか絡まれ始めたし…。みんな俺のこと好きすぎ≫

「男友達が多い彼氏はなんだか鼻が高いです」

≪ありがと≫



そんな話をして、名残惜しみながら電話を切った。



楽しかったなあ。



良い夢見れそう。



部屋の外から聞こえるお母さんと市川さんの談笑の声も今は気にならないよ。



あと3日もこうやって電話できるんだ!



はやく明日にならないかな。



それで、早く先輩に会いたい。



先輩病にかかったみたいだ。



頭の中先輩のことばっかり。



今日の先輩の声を反芻するかのように眠った。
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