好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
~風里~

修学旅行2日目。



今日一日、京都での班行動を終えた俺たちは、夜ご飯も食べ終えて部屋で遊んでる。



「はい風里の負け~。俺コーラな」

「俺ファンタ!」



トランプで負けた俺は、罰ゲームでジュースを買いに行かされた…。



時間は夜の10時。



これ買って戻ったら小糸ちゃんに電話しよう。



ホテルのロビーにある自販機に向かう。



ホテルには一般のお客さんもいて、何人かとすれ違う。



自販機コーナーに着くと、女の人が一人先に来ていた。



って、あれ…?



綾乃(あやの)…?」

「えっ、風里…!?」



中学生のときに付き合ってた綾乃がいた…。



綾乃が驚いた顔をして俺を見ている。



俺も超びっくりだよ…。



付き合ってるとき、綾乃は高校生だった。



いまは大学生とかかな…。



なんかすごい大人になった感じがする…。



普通に綺麗なお姉さんって感じだ。



「なんで風里が…?」

「修学旅行で…。そっちこそなんで…?」

「あたしは大学のゼミの合宿で…」



まじですか…。



たしかに大きいホテルだから場所がかぶってもおかしくはないけど…。



1年くらい付き合ってた綾乃。



なんとなく年の差に限界を感じていって別れたんだけど、なんか超気まずいかも…。



そのとき、綾乃がふらっと倒れた。



えっ!?



なになに、大丈夫?



しゃがんで綾乃の肩を軽くたたくと、肩越しにも熱があることが分かった。
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