好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「綾乃? 大丈夫?」

「ん…」



なんかめっちゃやばくない…?



どうしよう…。



「綾乃…立てる? 医務室行こう」

「…」



ぐったりしてる綾乃を支えてフロントまで行って、医務室を案内してもらった。



医務室のベッドに横になると、そのまま意識を失うように眠る綾乃。



まいったな…。



さすがにここから離れるわけにはいかないよね…。



どこの部屋に泊まってるとかも知らないし…。



しばらくここで様子見るか…。



とりあえず穂高に事情を説明した。



『了解』って来たけど。



俺は小糸ちゃんとそろそろ電話したい…。



小糸ちゃんも待ってると思うし…。



これ以上は待たせられないよ…。



医務室からそっと出て、医務室のドアの隙間を若干あけて、綾乃の様子を見ながら小糸ちゃんに電話をかけた。



小糸ちゃんに綾乃のこと言うか迷うな…。



言っても良い気分にはならないだろうしなあ…。



考えている間に小糸ちゃんが電話に出た。



≪は~い!≫



元気の良い小糸ちゃんの返事。



かわいいねえ…。



「遅くなっちゃってごめんね。待ったでしょ?」

≪全然大丈夫です! みんなと遊んでたんですか?≫

「うん、トランプしてたけど負けちゃった」

≪カメラつけてもいいですか…?≫

「いいよ」



お互いカメラをオンにした。



部屋着の小糸ちゃんが画面に映る。



なんか新鮮で楽しい。
< 81 / 351 >

この作品をシェア

pagetop