雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
「結婚式ってどんなことをするの?」

無知なので、知ったふりをせずに素直に悠翔に頼ってみることにした。

「そうだね、大体チャペルで挙式をして、その後披露宴って流れが多いかな。友達や職場の人に手紙を読んでもらったり、自分達のムービーを作って流したり。ケーキ入刀したり。そういう結婚式が多いかな」

悠翔の話を聞いて、世間一般の結婚式は、私が知っている結婚式だったので安心した。

「なるほど。そんな感じなんだ…」

「大体はね。式が終わった後、二次会をする人もいたりするよ」

二次会は聞いたことがある。実際に参加したことはないが…。

「悠翔は二次会に参加したことがあるの?」

「あるよ。大学の友人が結婚した時にね。二次会に関してはやる人もいれば、やらない人もいるから、自由な感じかな」

結婚式って様々なやり方があるのだと知り、勉強になった。

「二次会の開催は自由なんだ。ねぇ、今まで参加してきた結婚式の中で変わった結婚式はあった?」

「変わった結婚式か。某有名なテーマパークでの結婚式かな」

聞いたことがある。某有名なテーマパークで結婚式を挙げる人がいると。
女性にとっては夢のようなシチュエーションで。さぞかしとても素敵な式だったのであろう。

「すごいね。皆が憧れちゃうような式をした人がいたんだね」

「いたよ。奈緒もそこで式がしたい?」

そこで式がしたいかと問われると、そうではない。あくまで憧れに過ぎない。

「うーん、そこではいいかな。私はやっぱり式場で式がしたいかな」

私は結婚式を挙げられればそれだけで充分だ。

「そっか。それじゃ次の週末に式場を下見に行こっか」

また見に行けば、今度こそいいなと思える式場に出会えるかもしれない。

「そうだね。そうしよっか」

この時はまだ呑気に考えていた。二人でゆっくり一緒に考えていけばいいと。
しかし、ここから知る。結婚式の大変さを…。
まだ何も知らない私達は、来週末を楽しみに待っているのであった。
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