雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
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そして二度目の式場下見をしてきた。
やっぱり二度目の下見も、どの式場も良くて。更に式場選びに迷うことになってしまうのであった。
「これじゃどこがいいのか決められないな…」
このまま一生、決められないのでは?と思えてしまう。
「そうだね。どうしたらいいんだろう…」
誰か相談に乗ってくれる人はいないだろうか。そう思った時、ふと頭に浮かんだ。
「ねぇ、凌大さんに相談してみるのはどうかな?」
凌大さんも最近、結婚した。きっと同じように式場選びに迷っているはず。
「それもありだな。凌大に聞いてみるか」
悠翔は早速、凌大さんに電話をかけ始めた。
すると、凌大さんは数コール目ですぐに電話に応じてくれた。
『もしもし、悠翔どうした?』
「休日にごめん。凌大はもう結婚式の式場は決まった?」
込み入った話なので、普段ならお互いにあまり聞いたりしない話だ。
そんな話を急に振られても、相手を困らせるだけだが、凌大さんは気にせずに正直に答えてくれた。
『うん。決めたよ。この前、下見に行って良かったから、そこに決めたよ』
先日、凌大さんは入籍したばかりなのに、既に式場が決まっているなんて。驚きを隠せなかった。
「え?もう決まったのか?」
『入籍する前から式場の下見に行ってたからね。奥さんと早く子供が欲しいねって話してて、それじゃ早めに式場を決めようってことになって。お金のこともあるから、先に決めておかないと色々不安だろう?』
ご尤もである。ぐうの音も出ない。
「確かにそうだな…」
悠翔も言葉を失っている。人はあまりにも的確なことを指摘されると、何も言えなくなってしまうのであった。
『聞いてきたってことっては、ようやく悠翔も結婚式をやることにしたんだな』
本当のことは言えない。まさか挨拶させてもらった時は、偽装結婚していたなんて…。
「おう。そろそろ挙げたいねって話になったからな」
『そうか。楽しみにしてる』