雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
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しかし、その後も幾つか式場見学へ赴いたが、結局決まらなかった。
「どうしてこんなにも迷うんだろうな…」
二人して決められない答えに、焦りを通り越して迷い始めている。
何が正しいのか、どうして式場を選べないのか、答えが分からない。
「悠翔、下見に行った式場の資料を二人で一緒に見返してみない?」
ただ下見に行くだけではなく、こうして二人で向き合って話し合うことが大事かもしれない。今は特にその時間が必要だと感じた。
「そうしよっか。資料を持ってくるな」
悠翔が資料を持って、戻ってきた。
「お待たせ。今まで足を運んだ式場の資料だよ」
改めてこうやって見返してみると、結構足を運んだなと思った。
「たくさん式場を見に行ったね。一番最初に見に行った式場なんてもう懐かしい…」
一番最初に見に行ったからか、とても緊張していたのを今でも覚えている。
「あのさ、悠翔。一番最初に見に行った式場にしない?」
「え?それはどうして…?」
「一番最初に見に行ったってことは、一番気になっている式場だったから…でしょ?」
「まぁ、そうだな」
「他にも色々式場を見に行ったけれど、どこにも決まらないってことは、一番最初に見に行った式場が一番良かったってことでいいんじゃないかなって、私は思うの」
なかなか決まらないから投げやりで言っているわけじゃない。自分達の感情を無視し続けるのはなんだか違う気がした。
「確かにそうだな。奈緒の言う通りかもしれない」
「次の週末は最初に見に行った式場にまた行こうよ」
「そうしよっか。来週が楽しみだな」
「うん。楽しみ」
翌週、最初に見に行った式場に足を運び、プランナーさんと打ち合わせをし、式場と契約を交わしてきた。
これで式場選びの重責から解放された。少し心が軽くなる!…なんて舞い上がっていたが、まだまだこれからが本番だった。
色々決めなければならないことが多すぎて、頭が混乱している。今は何も考えたくない。少しの間でいいから現実逃避がしたい。