【短】卒業〜飯田理子の場合〜
そうこうしながら辿り着いたのは彼の部屋のベッドの上で。
ドサりと下ろされたと思ったら両手を頭上で一纏めにされ強く押さえつけられている。
目の前には怒りを隠そうとしない彼の双眸が、私に一切の拒否は許さないと告げている。

「離して」

「嫌だね。なんだよ、別れるって。好かれてないって何?訳わかんね」

言いながらも彼の腕の力が強まる。痛みに軽く顔を顰めて、それでも毅然と言い放った。

「もうあなたの都合の良い女は卒業するって決めたの」
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