救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 サブリナはそう叫んではあはあと荒い息をつき、胸の前で両手をぎゅっと握った。

(私の言いたいことをすべて言った……けど、ルーファスは……どうして怒らないの? 私が悪いのに……何もかも……すべて。騙してしまったことも)

 サブリナがじっと見つめれば、ルーファスは困っているような表情を浮かべていた。

「……これだけは言っておきたいが、サブリナが僕を騙そうとしていた事はわかっていた……そんな君の頑張りに報いるために、僕の代わりをよこすことにするよ。アシエード王国は救われる。だから、君がそんな風に罪悪感に苛まれることはない」

「……え?」

 黒いローブを纏うルーファスの身体は、ふわりと宙に浮いて、そして、呆気なく消えてしまった。

 ルーファスが代わりを寄越すと言うならば、きっとそうしてくれるのだろう。

 彼がこれまでにした約束は違えることはなかったし、短い間ではあるが近くに居たサブリナは、きっと約束を守ってくれるだろうと確信していた。

(あんなにも呆気なく、行ってしまうなんて……)

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