救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~

25 悪意

「……居ました。あちらですね」

「あら! 本当ね。見つからないのも、無理もないわ。こんな場所に居たなんて……良かったわ」

 ダミアンの案内によりサブリナは行方不明になっていたグレンダ・ハウエルという名の高齢女性を、小さな崖のようになってしまった辺りで発見することが出来た。

 邸からは遠くないが道からは外れているので、これまでの捜索むなしく見つからなくても無理はない。

 彼女はぐったりとしているが意識はあるようで、二人の姿を見てから軽く手を振っていた。

「グレンダさんですか?」

 慌てて駆け寄ったサブリナが彼女へと声を掛けると、白髪のグレンダは力無く頷いた。

「ああ……良かった。もう駄目かと思った。見つけてくれたんだね。ありがとう。実は、ここに落ちた時に足を挫いてしまってね。歩けないんだよ」

 どうやらグレンダは足を痛めて成す術なく、ここで座り込んでいたらしい。

「まあ! ……どうしようかしら。私が持ち上げられないし」

< 125 / 164 >

この作品をシェア

pagetop