救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 サブリナは困ってしまった。幼いダミアンと自分では彼女を持ち上げられない。

「サブリナさん。大丈夫です」

「……ダミアン?」

 ダミアンはサブリナに向けて微笑んだかと思うと、グレンダの体がふわりと浮き上がった。

「わ! すごいね! ……もしかして、魔法使いかい?」

 グレンダは目を輝かせた。位置が小さな崖底から地面へと移り、今ではサブリナと目線が合うようになっていた。

「はい。そうです。あまり動かないでくださいね……サブリナさん行きましょう。グレンダさんが住む場所までこのまま送って行きます。怪我を治したり医者を呼ぶのも、それからが良いかと」

「そうね。グレンダさんも疲労していると思うし、それが良いと思うわ」

「ああ……ありがとう……ありがとう……!」

 これまで不安で堪らなかったのか、助け出されたグレンダは泣き出してしまい、近くにある小さな村に着き家族と抱き合う頃には号泣していた。

 村人たちは口々にダミアンにお礼を言い、彼も嬉しそうにしていた。

「ああ……本当に良かったわ。ありがとう。ダミアン」

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