救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 共に歩いて邸へと戻りながら、サブリナはダミアンへお礼を言った。

(良かったわ。足を痛めていれば、あの崖を上り切るなんて難しいことだし、ダミアンが居なければ見つけることは難しかったと思うもの)

「いえいえ……サブリナさんがお願いしたことですから」

 本来ならば魔法使いは、報酬のある仕事でなければ受けない。それを思い出したサブリナはダミアンに慌てて言った。

「もちろん、報酬はちゃんと支払うわ。貴方はちゃんと仕事をしたもの」

「……いえいえ。代理をする仕事と一緒に、ルーファスから頂くので大丈夫です」

「ルーファスには、悪いことをしてしまったわね……」

 魔法使いへの報酬は高額だ。平民が軽く支払えるものではない。けれど、大魔法使いとなれば、彼らの言い値になってしまう。

 本来ならば、到底聞いて貰えないような要求を課し、無料で聞いて貰えたことになるのだ。

「彼がそうしたいと言っているので、良いのではないでしょうか」

 ダミアンは肩を竦めて微笑んだので、サブリナは曖昧に笑うしかない。

(あの時は国を救うためにそうするしかないと決意したけれど……ルーファスに謝りたいわ)

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