救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 魔界の門が封じられた頃の文献は、現在ではほぼ残されては居ない。しかし、すべてを失ってしまうくらいならと、アシエード国王が門外不出の禁書なども運ばせ、ルーファスの助けになるようにとこの邸に運んでいた。

 どんなに素晴らしい国宝があろうが、魔物大暴走(スタンピード)が起こり恐ろしい魔物たちに国土を蹂躙されてしまえば、すべて無と化してしまう。

 国王がこの事態になりすぐに下した決断は、そういう意味で正しく作用したという事らしい。

(とにかく、良かったわ……けれど、コードウェル公爵のことは気になるわ……)

 ダミアンが作業する部屋に居て、サブリナはお茶会正餐会などの招待にお礼状などを書いていた。

 熱心に古い本を読んで紙に書き付けている横顔を見て、やはりルーファスのことが思い出された。

(二人は横顔が特に、似ている気がするわ……)

 ダミアン本人は血縁ではないと言って居たし、大魔法使いルーファスはいつから生きて居るかわからないほどの年齢不詳なので、彼らが兄弟である訳がない。

 けれど、どうしてもルーファスのことが思い出されてしまうことは止められなかった。


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