救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「ああ……満月なのね」

 晩餐終わりのサブリナはなんとなく庭園に出て、雲のない夜空を見上げていた。

 黒い空にくっきりと輝く月は美しくて、見上げているだけで涙がこぼれそうになってしまった。

(私の希望通り……アシエード王国は救われるのに、それなのに、どうして)

 ルーファスに救って欲しいと願った事は、後悔はしていない。けれど、勘違いをしていると知りながら、彼を利用したことを悔いていた。

「……サブリナさん? 何をしているんですか?」

 振り返ればダミアンが居て、サブリナは思いがこみ上げて、泣いてしまった。

「……ごめんなさいっ……私っ……泣くつもりなんてっ……」

「いえ。どうかしたんですか? 城で何かありましたか?」

 近づき腕に触れたダミアンは、その時、妙に大人びた表情をした。何故かルーファスを思い出してしまい、サブリナはますます涙が出て来てしまった。

「ルーファスは、どこに行ってしまったの? あんなことを言ってしまって、後悔しているの……」

「……サブリナさん?」

 ダミアンはサブリナの言葉を聞いて、戸惑っているようだ。

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