救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 ルーファスは魔界の門の封印のため石門に刻まれた封じ方を習い、やり方を辿った方が良いと言っていたので、古代に封印したという魔法の解析をしているのかもしれない。

(ここは、邪魔をしてはいけないわよね……)

 サブリナは声を掛けずに、その場を立ち去ろうと思った。

「サブリナ?」

 振り向けば今し方気が付いたようにルーファスが顔を上げていたので、サブリナは苦笑して言った。

「ルーファス。ごめんなさい。お仕事の邪魔をしてしまったわね……」

「いや、良いんだ。そろそろ休憩しようかと思っていたところだよ……掛けてくれ。良かったら、お茶を一緒に飲んでくれないか」

 ルーファスはそう言いつつ、壁際に控えていた使用人に目配せをした。その場を去った彼が、すぐに二人分の熱いお茶を持って戻ってくるだろう。

「あ……はい」

 サブリナは広げていた紙を片付けるルーファスが居た机の向かいに座り、紙にある細かな書き付けを見て思わずため息をついた。

「すごいですわね……私には、全く理解出来ません」

 サブリナは素直にそう思ったのだが、ルーファスは微笑んで言った。

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