救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「おお!! こちらにいらっしゃいましたか。ルーファス様! どうか、お待ちください! どうか、どうか……この国をアシエード王国を救ってくだされ!!」
彼と二人でこの場から立ち去ろうとしていたサブリナは、慌てて追い掛けて来たアシエード国王が、そんな彼の前に跪いて乞い願っている姿を見た。
国王に続くように何人もの側近たちも駆けつけて、同じように祈りを捧げるように膝をついている。
(国王陛下……それに、お父様も? これは、一体どういうことなの?)
サブリナの父フレデリック・ラディアント伯爵は、国を支える大臣の一人としてアシエード王国の重鎮だ。
それに、彼の周囲に居る初老の男性たちも大臣で、父を訪ねラディアント伯爵邸へとやって来たこともあり、娘サブリナが見知った顔たちだった。
常日頃の威厳ある佇まいなどどこへやら、哀れな声を出し、サブリナの隣に居るルーファスと呼ばれた男性へと必死に縋り付いて居た。
「……僕にしか救えないって、そう言われてもね」
ルーファスは彼らの願いなどどうでも良いと言わんばかりの、淡々とした冷たい口調でそう言い放った。
彼と二人でこの場から立ち去ろうとしていたサブリナは、慌てて追い掛けて来たアシエード国王が、そんな彼の前に跪いて乞い願っている姿を見た。
国王に続くように何人もの側近たちも駆けつけて、同じように祈りを捧げるように膝をついている。
(国王陛下……それに、お父様も? これは、一体どういうことなの?)
サブリナの父フレデリック・ラディアント伯爵は、国を支える大臣の一人としてアシエード王国の重鎮だ。
それに、彼の周囲に居る初老の男性たちも大臣で、父を訪ねラディアント伯爵邸へとやって来たこともあり、娘サブリナが見知った顔たちだった。
常日頃の威厳ある佇まいなどどこへやら、哀れな声を出し、サブリナの隣に居るルーファスと呼ばれた男性へと必死に縋り付いて居た。
「……僕にしか救えないって、そう言われてもね」
ルーファスは彼らの願いなどどうでも良いと言わんばかりの、淡々とした冷たい口調でそう言い放った。