まだ誰も知らない恋を始めよう
 そうだった、ここで面倒がって不貞腐れちゃ駄目だ。
 今日は1日色々あり過ぎて、ずっと前みたいに思えるけれど、今日の午前中に言われたのだから、まだ忘れてはないし、忘れてはいけない言葉を、彼はくれたんだ。
 

 兄が口煩いのは、わたしがずっと心配をかけてるからで、今回の件でその危うさがはっきりして。
 だから兄だって、時間が遅くなって疲れているだろうに、今日も来てくれた。


「ベッキーさんからどこまで話を聞いたかは分からないけど。
 わたしの能力の件なら、魔法庁には報告しない、って約束してくれたの。
 それとオルシアナスくんは、フィニアスに魔法を掛けた外れを連れてきたら、魔力を喰って解術してくれるとも言ってた」


 それに加えて、ベッキーさんも知らない魔法学院訪問後を話した。


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