まだ誰も知らない恋を始めよう
「取り敢えず、人目を気にせずに会話をしたいから、家まで行かせて」と言う彼に同意し、自宅まで連れては来たけれど、だからと言ってそのまま何もかも受け入れる気は無い。
今日出会ったばかりなのに、彼は以前からの知り合いのようにわたしに接してくる。
今週からこんな状態になってしまって、誰とも話せなくて、余程溜まっていたんだろう。
応接室のソファーに座るなり、しゃべるしゃべる。
「身体は透明でも、その他は実体があった以前と変わりがなくて、お腹も空けば、眠くもなる」と説明を始めた。
今日、普段は足を向けたこともない (でしょうね!) 第3カフェテリアでうろうろしていたのは、厨房で盛り付け前のおかずをつまみ食いしていたらしい。
第1に比べて第3は管理がずさんで、ランチタイムのピーク時を狙えば、厨房内の調理士達も気付かない、とニコニコしている。
「休みが明けたら、1日目は初めて第2へ行くつもりで、何が食べられるか楽しみにしてるんだ」と爽やかに告げられても。
つまみ食いをしているだけ、と思い込んでいる王子様は自覚していないだろうが、無銭飲食の常習犯だ。
今日はそれに加えて、バスの無賃乗車の手ほどきを、わたしはしてしまった。
「寝るのは、うちのホテルのロビー奥の誰も座らないようなソファで。
ホテルは24時間体制だから」
自宅ではなく、ホテルのロビーで夜を明かす理由を、彼は詳しく話そうとしないけれど、何となく分かる気はする。
今日出会ったばかりなのに、彼は以前からの知り合いのようにわたしに接してくる。
今週からこんな状態になってしまって、誰とも話せなくて、余程溜まっていたんだろう。
応接室のソファーに座るなり、しゃべるしゃべる。
「身体は透明でも、その他は実体があった以前と変わりがなくて、お腹も空けば、眠くもなる」と説明を始めた。
今日、普段は足を向けたこともない (でしょうね!) 第3カフェテリアでうろうろしていたのは、厨房で盛り付け前のおかずをつまみ食いしていたらしい。
第1に比べて第3は管理がずさんで、ランチタイムのピーク時を狙えば、厨房内の調理士達も気付かない、とニコニコしている。
「休みが明けたら、1日目は初めて第2へ行くつもりで、何が食べられるか楽しみにしてるんだ」と爽やかに告げられても。
つまみ食いをしているだけ、と思い込んでいる王子様は自覚していないだろうが、無銭飲食の常習犯だ。
今日はそれに加えて、バスの無賃乗車の手ほどきを、わたしはしてしまった。
「寝るのは、うちのホテルのロビー奥の誰も座らないようなソファで。
ホテルは24時間体制だから」
自宅ではなく、ホテルのロビーで夜を明かす理由を、彼は詳しく話そうとしないけれど、何となく分かる気はする。