まだ誰も知らない恋を始めよう
『入れる』は、普段からお茶を入れるなんていつもの事で、そんなに意識はしないのに、あの日のメイドは薬を入れる事に緊張して、心の中でずっと復唱してて。
『大丈夫』と『バレない』は、怯えながらも自分に言い聞かせて、それをダニエルに読み取られたか。
普通だったら、絶対に信じられなくて笑い飛ばしたかもしれなかったマッカーシーの力の話も、今の俺なら否定しない。
いや、否定出来ない。
この世には俺達が想像もしていなかった領域が確かに存在している、と我が身をもって理解したからだ。
そんな事を思い出したり、考えたりしていたせいで、黙まりこんだ俺がダニエルは気になったようで改めて頭を下げられた。
「今まで、力の事を黙っていて、本当にごめんなさい」
「何で? 君に謝られたら、俺が困る。
君が知り合ったばかりの俺に、力の事を打ち明けられなかった事情は分かるし。
それに、その力のお陰で俺は見つけて貰えて、声を掛けてくれた訳だろ?
俺を孤独から救ってくれたのは君だ。
ダニエルが居なかったら、俺はいつか狂っていたような気がするんだ」
これは嘘じゃなく、本当の気持ちだ。
もしもあの日、君と出会えていなかったら、と思うと……
俺はどうなっていた?
俺はやっぱり、君とは運命だったんだと信じたい。
『大丈夫』と『バレない』は、怯えながらも自分に言い聞かせて、それをダニエルに読み取られたか。
普通だったら、絶対に信じられなくて笑い飛ばしたかもしれなかったマッカーシーの力の話も、今の俺なら否定しない。
いや、否定出来ない。
この世には俺達が想像もしていなかった領域が確かに存在している、と我が身をもって理解したからだ。
そんな事を思い出したり、考えたりしていたせいで、黙まりこんだ俺がダニエルは気になったようで改めて頭を下げられた。
「今まで、力の事を黙っていて、本当にごめんなさい」
「何で? 君に謝られたら、俺が困る。
君が知り合ったばかりの俺に、力の事を打ち明けられなかった事情は分かるし。
それに、その力のお陰で俺は見つけて貰えて、声を掛けてくれた訳だろ?
俺を孤独から救ってくれたのは君だ。
ダニエルが居なかったら、俺はいつか狂っていたような気がするんだ」
これは嘘じゃなく、本当の気持ちだ。
もしもあの日、君と出会えていなかったら、と思うと……
俺はどうなっていた?
俺はやっぱり、君とは運命だったんだと信じたい。