リアル・アクション・アプリ
☆☆☆

「瞳、ちょっと来なさい」
夕飯を食べた後自分も部屋で宿題をしていた私は、険しい表情のお父さんに呼ばれてリビングに降りてきていた。

リビングにはお母さんもいて、私を見るなり顔をしかめてため息を吐き出した。

夕飯のときとは打って変わって重苦しい空気が部屋の中に流れていることに気がついてたじろぐ。

「お父さん、私まだ宿題があるから」
そう言って逃れようとしたけれど無理だった。

普段なら宿題を優先させていいと言っているお父さんが私の手首を掴んで引き止めた。

「すぐに終わるから、そこに座りなさい」
指さされたのはソファではなく、テーブル横にクッションだった。

お母さんもソファには座らずにクッションをひいて床に直接座っている。
リラックスしたいときなら、必ずソファに座るのに。

私はゴクリと唾を飲み込んで言われた通りクッションの上に座った。
「さっき学校から電話があったの」

口火を切ったのはお母さんだった。
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