七番目の鏡子さんと招き猫
制服のネクタイは緑色、これは今の中等部二年の色だ。
この学園の制服のネクタイは、学年によって違う。入学式の時に渡されたネクタイの色が、高等部を卒業する時まで、その学年の色になるのだ。
現在では、青、緑、黄色、オレンジ、赤、紫の順番で、わたし達の青色が中等部一年、緑色が中等部二年となっているのだ。
だから、このオカルト研究部に来た男子は、一年先輩ということになる。
「あれ……本当に君だけなんだ」
何、そのガッカリした顔は! すみませんでしたね、超絶有能な黒羽先輩と違って、わたしは一応怪異見えますなだけの残念オカルト研究部だ。
仕方ないじゃない。まだスカウトされて二ヶ月だもの。チュートリアルをぎり終わったところのレベル一だ。
だが、お客様はお客様。
無礼だろうが失礼だろうがオカルト研究部に来たということは、何か怪異の相談に違いない。
黒羽先輩がイギリス留学中の留守を守るのが、わたしの役割だ。
「何かお困りごとですか?」
「あ……いや、気のせいかも知れないんだけど」
なんだか言いにくそうだ。
「大丈夫。話すだけでも楽になるかもしれないから、話してみてください」
本当に怪異な話だったとして、わたしで何とかできるかどうかは分からないけれど。
でも、一緒に悩んで考えることならできる。
「笑わない?」
「笑わないから。ほら」
わたしが、うながせば、緑ネクタイの男の子は、ゆっくりと事情を話し始めた。
「僕は囲碁将棋部なんだ。部員は三人」
「いいなぁ三人も」
わたし一人だけのオカルト研究部の三倍。めちゃうらやましい。
「ところが、二人、急に辞めちゃった」
「え? なんで? 喧嘩でもした?」
「ううん。でも、急に青ざめた顔して逃げちゃったんだ」
急に青ざめた顔して逃げちゃった……。
これは、怪異の可能性高いかも。
この学園の制服のネクタイは、学年によって違う。入学式の時に渡されたネクタイの色が、高等部を卒業する時まで、その学年の色になるのだ。
現在では、青、緑、黄色、オレンジ、赤、紫の順番で、わたし達の青色が中等部一年、緑色が中等部二年となっているのだ。
だから、このオカルト研究部に来た男子は、一年先輩ということになる。
「あれ……本当に君だけなんだ」
何、そのガッカリした顔は! すみませんでしたね、超絶有能な黒羽先輩と違って、わたしは一応怪異見えますなだけの残念オカルト研究部だ。
仕方ないじゃない。まだスカウトされて二ヶ月だもの。チュートリアルをぎり終わったところのレベル一だ。
だが、お客様はお客様。
無礼だろうが失礼だろうがオカルト研究部に来たということは、何か怪異の相談に違いない。
黒羽先輩がイギリス留学中の留守を守るのが、わたしの役割だ。
「何かお困りごとですか?」
「あ……いや、気のせいかも知れないんだけど」
なんだか言いにくそうだ。
「大丈夫。話すだけでも楽になるかもしれないから、話してみてください」
本当に怪異な話だったとして、わたしで何とかできるかどうかは分からないけれど。
でも、一緒に悩んで考えることならできる。
「笑わない?」
「笑わないから。ほら」
わたしが、うながせば、緑ネクタイの男の子は、ゆっくりと事情を話し始めた。
「僕は囲碁将棋部なんだ。部員は三人」
「いいなぁ三人も」
わたし一人だけのオカルト研究部の三倍。めちゃうらやましい。
「ところが、二人、急に辞めちゃった」
「え? なんで? 喧嘩でもした?」
「ううん。でも、急に青ざめた顔して逃げちゃったんだ」
急に青ざめた顔して逃げちゃった……。
これは、怪異の可能性高いかも。