虐げられ続けた私ですが、怜悧な御曹司と息子に溺愛されてます


「あなたは兄と結婚したがっていた人たちを、笑顔でねじ伏せていくのよ。それがあなたの役目」
「は、はい。善処します」

華怜の勢いに負けて、真矢は上司に答えるような言葉になってしまった。

「私もできるだけ手伝うから、あなたも本気で生まれ変わって」

やっと真矢にも華怜の気持ちがわかった。妹として、真矢では花嫁にふさわしくないと思っていたのだろう。
兄のことをとても大切に思っているし、幸せな結婚をしてほしいと真剣に考えていたはずだ。

おそらく都々木岳の妻になるということは、真矢の想像を超える世界に飛び込まなくてはいけないのだ。
だからこそ華怜は、岳と結ばれたいなら真矢にも覚悟が必要だと教えてくれている。

(まじめに考えてくれている華怜さんに、契約だからこの程度だなんて思われたくない)

真矢の心の中に、パッと灯がともった。

(岳さんが好き)

契約しているとはいえ、まだ岳の両親に会っていないし指輪も左手にはない。
真矢の立ち位置は、いつ足元から崩れるかわからない(もろ)いものだ。

(このままでは岳さんの隣にふさわしくない。今のままではダメなんだ)

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