虐げられ続けた私ですが、怜悧な御曹司と息子に溺愛されてます


「会長。あのって、なんですか。真矢さんに失礼です」

岳は会長に対して容赦なかった。
真矢のほうが心配になるくらい、いつもより態度や言葉が冷たく感じられる。

それにあとから入ってきた鶴田家の人たちと社長は挨拶を交わしていない。つまり、すでに会っていたということだ。

陽依はもう優美な表情に戻っている。その余裕ある微笑みが真矢は気になった。
岳と真矢が並んで座っている正面に、会長と陽依、それに叔母が座った。叔父はひとり離れた椅子に腰かけている。

先ほど案内していた女性秘書が再び姿を見せて、コーヒーをそれぞれの前に置く。
秘書が静かに一礼して部屋を出て行ったところで、会長がおもむろに話し始めた。

「いやいや、チョッと困ったことになってね~」

またかというように眉をしかめた岳を見て、真矢の心配はさらにつのる。

「本日お集りいただいたのは他でもありません。どうも、両家の間に行き違いがあったようです」

会長の話を途中から社長が引き取った。さっきまで穏やかだったのに、今は社長の態度にも厳しいものが感じられる。



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