虐げられ続けた私ですが、怜悧な御曹司と息子に溺愛されてます


「この際、きちんとさせてましょう。会長」
「あ、ああ」

社長が鋭い目つきになったので、会長はソワソワし始めた。

「まず、亡くなられた対鶴楼の前の社長と会長は、学生時代からの友人だったと聞いています。間違いないですね」

「もちろんだ。親友だし、ずっと付き合いがあった」

「そして、ふたりだけで約束を交わしていたと」

「そうだ」

その話を聞いて、真矢は悟った。会長が祖父の遺言にあった「対鶴楼の援助を約束してくれた友人」だったのだ。
真矢は岳に遺言の話は伝えていない。なんだか心臓がバクバクと音を立てて脈打ち始めた気がする。

「前の社長はお亡くなりになっていますが、遺言状を残されていたそうですね」

社長が叔父の方に目を向けた。黙ったまま、叔父はうなずいている。
岳が真矢のほうを見たのは、それとほぼ同時だった。

「ところが、遺言状を書いた日付より後に、全社長と会長が交わした手紙が見つかったようです」

会長は肯定するように、首を上下に動かしている。




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