虐げられ続けた私ですが、怜悧な御曹司と息子に溺愛されてます
そのまま叔父はカーペットの上に膝をついて、真矢に向かって頭を下げてくる。
「真矢、許してくれ!」
いきなり土下座された真矢は焦った。それに真矢は岳と手をつないでいるから、とっさに動けない。
叔父を上から見下ろすなんてできないと思っていたら、岳も同じ気持ちだったのか真矢の手を放してくれた。
「叔父さん、どうしたの」
真矢は叔父の前にしゃがんで、静かに話しかけた。
「頭を上げてください」
やっと顔を上げた叔父は、泣き出しそうな表情だ。
「家を出るなんて、そんなこと都々木さんにさせちゃあダメだ!」
つらそうな顔をしたまま、叔父は「家を出たらダメだ」と繰り返して言う。その言葉に真矢はハッとした。
「もしかしたら、お父さんのことと重ねているんですか?」
叔父は結婚に反対されて家を出た兄、つまり真矢の父のことを思い出しているとしか思えない。
「そうだ」
叔父が真矢の手を握りしめてきた。
「真矢、許してくれ。お前のお父さんとお母さんが亡くなったのは私のせいだ」