虐げられ続けた私ですが、怜悧な御曹司と息子に溺愛されてます


あまりにも重い話に、真矢は絶句した。

叔父が真矢とあまり関わらなかったのは、真矢の顔を直視できなかったのと、事実を知られたくなかったためだろう。
あの事故の日、父が対鶴楼に戻ると決めていたことは真矢には大きな衝撃だった。

「真矢、大丈夫か」

かなり顔色が悪くなっていたのだろう。岳が真矢の肩にそっと手を置いてくれたが、息苦しくて返事ができない。
叔父の話を聞いた叔母の顔色は青を通り越して白くなっているし、陽依は椅子に座りこんだまま微動だにしない。
叔母は何も知らなったのか、ブツブツ「聞いていない」「知らなかった」とつぶやいている。

叔父の告白を聞いた会長や社長は、もう対鶴楼のことや陽依と岳の結婚話など口にできなくなっていた。

「もう真矢を苦しめるのはやめてくれ」

叔父は叔母に向かって手をあわせている。

「あなた」

「今までお前が真矢に何をしても黙っていたが、もう限界だ」

遺言にあった「陽依か真矢の選ばれた方」という文言通り、明都ホテルグループからやってきた岳が選んだのは真矢だ。
手紙の話を持ち出してまで無理やり陽依と結婚させなくていい、真矢が対鶴楼を継ぐのが筋だと叔父は言う。




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