虐げられ続けた私ですが、怜悧な御曹司と息子に溺愛されてます
真矢は和真たちと、この町の観光について話しあっている。
和真に和文字堂の菓子を小さくしてはと提案したのも、老若男女を問わず広く受け入れてもらえるように工夫したいと考えた結果だ。
様々な業種が力をあわせて観光開発に取り組めたら、この町も変わっていくはずだ。
その思いを、真矢は岳に伝えたかった。
「古い日本家屋での暮らしは、外国の方だけじゃなくて都会の人にも興味を持ってもらえるんじゃないでしょうか」
「君は一泊だけの観光客より、滞在してくれる客を望んでいるんだね」
「はい。先日ご案内した和菓子作りのように、ガラス細工の工房や、染色家の工房などでも見学や体験を受け入れてくれる予定です」
「実現したら、リピーターが増えるかもしれないね」
対鶴楼だけでは難しくても、同じ意識を持つ人が集まれば変わって行けるかもしれない。
近ごろ、この町を気に入った工芸家たちの移住が増えている。真矢たちはそんな若い作家たちの工房を含めて、観光開発を考えていた。観光地域づくりの法人を立ち上げるところまであと一歩というところだと岳に話すと、とても驚かれてしまった。
「君はそんなことまで考えているのか」