虐げられ続けた私ですが、怜悧な御曹司と息子に溺愛されてます


「はあ」

それがどうすれば見合いにつながるのか、真矢にはピンとこない。

「それにあなたが弟さんや若いメンバーと一緒に、この町が観光地として生き残るためのアイデアを出しあっていることも聞いています」

和真たちの地域観光づくりのグループを、法人化しようというとしていることまで高杉は知っているらしい。

「私なら地位もあるし財産もある。あなたの力になりたいんです」

そう言われても、お金や議員の地位があるなら、もっと前から町の観光開発に取り組めたのではないかと真矢は思う。
さっきの杏奈の表情を見たあとでは、素直に高杉の言葉を受け入れられない。

「妻に先立たれて五年たち、娘が難しい年ごろになりました。あなたなら、あの子をなんとかしてくれるのではと再婚を思い立ったんです」

どうやら高杉は、人の力を使って物事を動かすことに長けているようだ。
社長や議員という立場がそうさせているのかもしれない。
和真たちのグループが動くから、この町の観光開発を援助する気になったようだし、娘のことだって真矢に丸投げしたいような言い方だ。

真矢はどうしても岳と比較してしまう。岳のように自らが現場に立つタイプにこそ、強くひかれるのだ。




< 81 / 141 >

この作品をシェア

pagetop