正しくなれない(仮題) <シナリオ形式>
4 五月
◯2年A組・国語の時間から

N先生「五月雨を
集めて早し
最上川」

チャイムが鳴る

N先生「今日は、ここまで」


◯2年A組・休み時間

小田が開口一番

小田「おいおい
あいつ オレの弟な
ホワイティー」

鷲田「ブラザー ホワイティー!」

小倉「はいはい」

小泉「うーん」

小倉「どったの?」

小泉「ちょっと教員に直談判して来ようかな」

小田「必殺」

野口ヒデオ「ボス魂」

小泉「だってかわいそうじゃない?
教員の白髪染めって 俗にOK

でも何で 理不尽っていうか
うーん
いくら茶髪禁止でも 逆に  血祭り」

一同「……」

小田がふいに笑い出しながら

小田「血祭り」

鷲田「祭りは、まつりごと
なのであります」

鷲田がふざけた
急に真面目に

鷲田「あいつ
最近学校来てないらしい」

鷲田またふざけて

鷲田「白々しい」

小泉「うーん
教員の白髪染め禁止にしたろか!
と思うけど

野口「ボスが()怒りよ」

小田「ざます」

山口「ざーます」

中原中也遅れて登校

中原「おはよう」

山口「ざまあ」

小田「ざーます
遅いざます」

中原「ちょっと昨日の あれ観た?
体育科のAとM 連れ立って 一緒に

って あれ 上松レインは?」

小泉「確かお休み だったかな」

中原「あの子 かわいそうよ
上松まりあ と 上松レインって 全然違う
双子だからと言って 騙されないで って感じ」

小泉「そう
ありがとう」


◯職員室

Y先生と小泉が話している

小泉「例えば、生徒の毛染め
病気や体質が原因でも 特例は無いんでしょうか?」

Y先生「今の所は無理ね」

小泉「残念、
署名とか集めてもダメなんでしょうか」

Y先生「意外と難しい問題なのよ これ」

小泉「そうなんですね
あっ ありがとうございました」


◯図書室

図書室に二人でダベっている

小泉「念願の図書委員」

ぬこにゃー「校則変え お疲れ様」

小泉「どういたしまして」

ぬこが小声で囁く

ぬこ「実は折り入って頼みが

どうして子供が出来るかを
ここで会議したい と思っておりやす」

小泉が飲む形で

小泉「理科 と思います」


◯謎の空間

1組の男女が白衣を着ている
どうやら夫婦の研究者らしい
上松夫妻?である

眼前に
胎児? のような

男「これで」

女「私たちの研究は完成されるわ」

男「うむ」

女「15…いや16歳までには
白血病を発生させる
プログラム通りよ そして」

男「長かった
実に長い道のりだった」

女「全て
全てのプログラムが完成するわ

これで、日本
いえ人類の願いが(かな)

やっと

私たちの待ち望んだ…
全て
全てなのよ!

今から待ち遠しいわ
早く 早く 私たちの…」

男「日本の人工出生(しゅっせい)技術に 栄光あれ!」

破滅的なムード


◯図書室

一転して平和
広い図書室にぬこと小泉の二人だけ

ぬこ「うーん
難しい話でし」

小泉「…」

のほほんとしたムード


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