泣ける程に愛してる。

23時になると、眠くなってきたわたしは欠伸をした。

「わたし、そろそろ寝ようかな〜。啓人は?」
「俺、もうちょい起きてるわ。」
「じゃあ、わたし先に寝ようかな。」

そう言って、わたしは洗面所に歯を磨きに行った。

その時に2本並ぶ歯ブラシを見て、何だか恥ずかしくなってしまう。

いや、2本あって当たり前なんだよね。
わたしが啓人のとこに引っ越してきたんだし、一応夫婦なんだし。

わたしは初日の啓人の家にまだまだ慣れず、会社で一番話しやすくプライベートな話をする仲だったとはいえ、まさか契約結婚をして夫婦になることになるだなんて想像もしていなかった為、色んな意味でどこまで踏み込んでいいのか、まだ戸惑っていた。

歯磨きが終わりリビングに戻ると、一人で缶ビールを飲む啓人の後ろ姿に、わたしは「おやすみ。」と声を掛けた。

すると、啓人はこちらを振り向き「おやすみ。俺、右側がいいから、咲は左側に寝て。」と言った。

「うん、分かった。じゃあ、おやすみ。」

そう言って、寝室のドアをそっと開けてみる。

そこには、奥の壁の中央にダブルベッドが置いてあり、両サイドが空いてる状態だった。

わたし左側だよね。
窓側に寝ればいいってことか。

そう思いながら、寝室の電気を一度点け、ドアを閉めた。

そこでふと気付いたのだが、ベッドには枕が二つ並んでいた。

一人で寝てるはずなのに、枕が二つ?
どうゆうこと?

昔チャラ男だったって話は、今でも健在なの?

そう思いながらもわたしはベッドの左側の布団に入った。

そしてサイドテーブルに置いてあったリモコンで寝室の電気を消す。

最初は緊張して眠れるか不安だったが、色々やる事があり疲れが溜まっていたのか、思いのほかすぐに眠りにつくことが出来たのだった。

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