泣ける程に愛してる。
わたしは啓人に珈琲を淹れて渡すと、洗面所に向かい洗顔から始まり、出勤の支度を始めた。
その間、ゆっくりわたしが淹れた珈琲を飲み、朝のニュース番組を見る啓人。
啓人が支度を始めたのは、家を出る30分前からで、あのボサボサヘアーからあっという間にいつも会社で見るスーツ姿の啓人に早変わりしてしまった。
「さて、行くか。」
「うん。」
夫婦になってから、今日が初めて一緒の出勤日。
啓人には、前に一度だけ家まで送ってもらったことがあった為、黒い車に乗っているということは知っていたが、あまり見たことがない車だったので「これ何てゆう車?」と訊いた時、確かランドクル◯ザー?とか言っていたような気がする。
わたしは助手席に乗ると、シートベルトを締め、何だか不思議な気持ちになった。
いつもはバスと電車で通っていたのに、今日から啓人と一緒に啓人の車で出勤するなんて、、、
そんなことを思いながら、わたしは走り始めた車の窓の外に流れる景色を眺めた。
会社に到着し、駐車場に停めた車から降り、啓人と共に会社へ入って行くと、周りからの視線が気になった。
そりゃあ、そうだよね、、、
イケメン部長の嫁がこんなごく普通の女で、全然釣り合ってないんだもん。
わたし、浮いて見えるよね。
何だか肩身が狭いような気持ちになりながら、わたしたちは事務所に入り、それぞれのデスクについた。