泣ける程に愛してる。

「わぁ、、、可愛い。」

目の前のガラスケースの中には、たくさんのマリッジリングが並べられていて、でも"可愛い"と思うと共にその価格に驚き、金額は可愛くない、、、と心の中で呟いた。

すると、啓人が「咲は指が細いから、こんなのとか似合いそう。」とある一点の指輪を指差して言った。

その指輪は、中央に何カラットなのか分からないけど、ダイヤが3つ並んではめられている指輪だった。

「ご試着されてみますか?」
「はい。」

と返事をしたのは啓人で、わたしは"えっ?!"と驚きっぱなしだった。

啓人、ちゃんと金額見てる?!
部長職がいくら給料もらってるか知らないけど、一年の契約結婚の為に買うような金額じゃないって!

「奥様、サイズはお分かりになりますか?」
「あ、7号だと、、、思います。」
「かしこまりました。少々お待ち下さいませ。」

奥様、、、
そっか、わたし今は奥様だった。

「お待たせ致しました。」

そう言って、店員さんは7号の指輪を持って来た。

「どうぞ、ご試着なさってみてください。」

わたしはドキドキした。
こんな、、、高価な指輪を触るのでさえ、わたしなんかがいいのかなぁ、と思ってしまい、なかなか手を付けられずにいた。

すると、啓人がスッと指輪を手に取り、「左手、出して?」と言ったのだ。

わたしはそっと啓人に向けて左手を出した。
啓人はわたしの左手に手を添えると、ゆっくりとわたしの薬指に指輪をはめた。

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