泣ける程に愛してる。
中に入ると、啓人がフロントで受け付けをしてくれ、それから宿泊する部屋へ案内された。
すると部屋に入り、その先に見える大きな窓の外に広がる景色にわたしは「わぁ〜!」と感動してしまった。
荷物を置いて窓のそばに駆け寄り、そこに広がる赤や黄色の紅葉に整えられた中庭が見え、わたしは振り返ると「啓人!見て!綺麗だよ!」と言った。
啓人は歩み寄って来ながら「本当にだなぁ〜!凄いなぁ!」と言い、それからわたしを後ろから抱き締めた。
わたしはハッとして、啓人の腕の中に居ることにドキドキしてしまった。
「温泉旅行を調べてる時にさ、この旅行を見つけて、この綺麗な景色を咲に見せたいなぁ〜って思ったんだ。一緒に見られたら、最高だなぁって。」
啓人、そんなことを考えながら旅館をここにしてくれたんだ。
その啓人の気持ちが素直に嬉しかった。
わたしは、わたしを抱き締める啓人の腕に手を添えると「ありがとう。わたしも、この景色を啓人と一緒に見れて良かった。」と言った。
また一緒に見れたらいいね、なんて、、、
そんな叶わないことを言い欠けたけれど、わたしはグッとその言葉を飲み込んだ。
だから、この景色を目に焼き付けておこう。
この啓人の腕の中で見た景色を、二人で見た景色を、、、わたしは忘れない。