相思相愛・夫婦の日常~ひか♡ちな編~
それからも家の中でゆっくりしていた、俺達。

サブスクの映画を観ていると、俺のスマホにメッセージが入ってきた。

テーブルの上のスマホを取ろうとすると、一瞬の差でちなちゃんに取られてしまう。

「え……ち、ちなちゃん!?」

「ダメ!!」

瞬発力、凄っ!!?

「ちなちゃん、貸して?」

「…………何処か行く気でしょ!私を置いて!」

「それは、内容次第だよ?
ね?
とりあえず、確認させて?」

手の平を出す俺に、ちなちゃんは渋々スマホを置いた。
中を確認すると、会社のグループラ○ンで……

「え……」

部長が亡くなったという連絡だった。

「ひかくん?」

固まっている俺に、さすがのちなちゃんも窺うように呼んできた。

「ちなちゃん、ごめん。
部長が亡くなったらしくて、今から通夜なんだ。
行かせて?」

俺の真剣な表情に、ちなちゃんは「わかった!」と微笑んだ。
喪服に着替えるため、寝室のクローゼットに向かった俺。

「ひかくん!
香典、用意するね!
いくら包んだらいい?」

「あ、一万で!
凄く世話になった人なんだ」

「わかった!」

準備を整えて寝室を出ると、ちなちゃんが香典を渡してきた。
「はい、これ」

“御香典 井澤 光琉”

ちなちゃんの丁寧な字。
とても綺麗だ。
この字を見るだけで、気が引き締まった感じがした。

「ありがとう…!」

「私のことは気にしないで、ちゃんとお別れしてきて?」

「うん、ありがとう!」

「あ、ちなみに何処の葬儀場?
それと、終わったら連絡くれない?」

「わかった!
○○斎場だよ」

「あ!あの大きな?」

「うん」

「わかった!」

マンションの前までちなちゃんに送られ、俺は葬儀場へ急いだ。

ニトウ達同僚が待っていた。

「お疲れ」

「あ!井澤くん!
お疲れ!」

「うん」

「びっくりだな…」
「俺、かなりショックなんだが…」
「俺も…」

俺もだ。
部長は、俺を含めて沢山の社員に慕われていた。
上司には頼りされ、部下にも慕われる。

部長を悪く言う社員なんて一人もいないくらいに。

「行こう」

俺達は、斎場に入った。


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