上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
 それでも伝えねばならない。受け止められない……私がだ。

「……行けません、不破さんのお部屋なんか……」

 知りすぎると抜け出せなくなる、そんなプライベート空間で肌を合わせたら勘違いしてしまうじゃないか。

 不破さんの部屋で?不破さんのベッドで?無理だ、無理すぎる。

「……わかったよ」

 そう言った不破さんはどこか面白くなさそうだ。そしてめんどくさそうにため息を一つ溢した。

 (あ……怒らせた?嫌気さされた?)

 でも自分が拒否した気持ちを汲んでほしいとも思う。そういう関係じゃない、不破さんがそこまで受け入れなくていいじゃないか。

 私は――彼女でもなんでもない。

 怒らせたかと思ってドキリとしたが、不破さんの手がぎゅっと私の手を繋いでタクシーを拾うためか乗り場まで引っ張られた。

「……ご、めんなさい」

「どういう意味の謝りなの?それって」

 不破さんが覗き込むようにして問うてくるので、その瞳を見つめ返した。
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