上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
 あかりはまだぼやっとする脳をなんとか動かして記憶を探り始めた。

 そして今さっきまで見ていたものが夢なのかと認識する。

 それでもやけにリアルな夢だった。夢から覚めただけある、恐ろしいほどの現実を突き付けられた。


「……天野さん?」

「……ひっ……ごめっ……」

「大丈夫ですか?なんか……怖い夢でも見ました?」

 本田の気遣うような言葉がおかしかった。いい年した女に子どもに言うみたいにそんなことを言う。それでも的確だった気がした。
 怖い夢だった。

 怖くて泣きたくなるほどだ。

 あかりの瞳から涙が止まらなかった。

「……ぅん……」

 震える声でそう言ったあかりを本田が抱きしめてきた。

「――ぇ、ほ、んだくん」

「怖い時って……抱きしめてもらったら怖いの薄れません?」

 あかりは何も言えず固まってしまった。
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