上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
 話していいよ、そう聞こえた。聞かせてほしい、そんな風にも聞こえてしまった。あかりはそんな都合よく聞き取ってしまっていいものか、そう思ったけれどもう昼のあの時間から不破へ気持ちを溢しまくっている。言わなくてもいいことも言ってしまった、今日は不破に聞いてもらう日なのかもしれない。

「幼い頃に両親が死んで祖母と姉と三人で暮らしてきました。中学を卒業する前に祖母が亡くなって、姉と二人になって、でもその姉も五年前に病気で亡くしました。姉はその時三十で……婦人系の病気で発見が遅かったんです。気づいたときには手遅れで泣いてました、私にも定期的に検査に行って身体を大事にしろって、それでちゃんと子供産みなさいって。結婚して子供産んで当たり前の幸せをちゃんと送ってって言って亡くなりました……ってこんな話本当に重いですよね」

 つとめて明るい声で聞いたけれど、不破はいたって真面目な顔で首を左右に振った。そしてとても真摯に聞く姿勢を見せたので、あかりの方が今度は面食らった。

 そして――諦めた。不破にはもう取り繕う必要はないのかもしれない、隠し事を出来ない、そんな気になったのだ。
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