上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
 自分のためじゃない、自分が誰かのために生きれる、暮らしを大切にできる、それが嬉しかった。

 仕事の合間でも時たま目があえば優しく微笑まれたりしたときの胸のときめき。

 名前を呼ばれて跳ねる胸。

 二人の時になったときの、自分しか知らない不破の顔。

 不破と触れ合わない時間が増えるほど考える、頭の中が不破に支配される。

 子宮が――疼く。

 (辛い……)

 あかりは思う。
 自分が望んだことがどれだけ乱暴で浅はかだったのか。独りよがりな気持ちだった、子供が欲しいなんて身勝手で自己満足だった。

 不破の人生を自分が狂わせる、それが辛い。
 
 不破にリスクを背負わせたくない、あかりは思い始めている。

 大切だから、不破が好きだから、だからもうこの関係を終わらせるべきだ。

 終わらせてほしい、不破に言わなければ。

 結局妊娠はしていなかった。やはりストレスから来ていたのかホルモンが乱れていたのか。妊娠する前に終わりにしなければ、あかりはそう思った。


 ――不破の子供は産めない。
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